量子化制御
従来の多くの制御系設計理論では,制御系に含まれる信号は連続値であることが前提となっています.しかし,実際には,ON/OFF型アクチュエータを使ったシステムや,制御系にディジタル通信路が用いられている場合など, 信号が離散値に制限,すなわち量子化されている場合は多くあります.これらは,機器の低コスト化や小型化には不可欠な技術ですが, 連続値信号を用いたシステムに比べて制御が難しいのも事実です.本研究では,こうした量子化制御システムにおいて, 連続値信号を用いた場合と同等の制御性能を実現するための新しい方法について取り組んでいます.
マルチエージェントシステム
マルチエージェントシステムとは,複数のエージェントと呼ばれるサブシステムがネットワークを構成し,全体で共通のタスクを実現するシステムです.システム全体を集中的に制御するのではなく,エージェント同士が局所的に情報交換を行い,分散的に制御することで,システム全体の耐故障性の向上や低コスト化が期待できます.ネットワーク間のノイズがシステムのタスクに与える影響の定量的評価や,システム中の特定のエージェントの識別方法についての研究に取り組んでいます.